新しいNISAとは? ②

「新しいNISA」のポイントは?どんな人におすすめ?

 資産形成にぜひ活用したいNISA制度は、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる制度です。このNISAは、2024年1月から「新しいNISA」として制度が拡充されました。
 では、この新しいNISAを活用していくために、ぜひ知っておきたいポイントをおさえていきましょう。これからご紹介する4つのポイントは、まさに2023年までのNISAからの変更点にあたります。

新しいNISAのポイント

ポイント① 非課税期間が無期限 - 長く運用できる

 2023年までのNISA(以下「これまでのNISA」)は、非課税期間が5年あるいは20年といった縛りがありました。
 しかし、新しいNISAではこうした非課税期間の縛りがなくなり、「無期限」とされました。つまり、いつ購入や売却をしてもよく、いつまで保有していても非課税となったことで、運用のコツといわれる長期運用に、より向いた制度となったのです。
 また、NISAの利用は「18歳以上」とのみ定められ、年齢の上限はありません。そのため、一生の長いおつきあいができる制度となっています。

ポイント② 併用できる - つみたてでも一括購入でも

 新しいNISAでは、購入方法が一括でも積立でも自由な「成長投資枠」と、積立のみである「つみたて投資枠」2つの枠を同時に使えます
 そのため、例えばつみたて投資枠を使って投資信託を積立で毎月など定期的に購入しながら、ボーナス月に余裕があれば一括で投資信託を買い増すといったことも可能です。
 また、投資できる対象は、成長投資枠とつみたて投資枠でそれぞれ決まっています。つみたて投資枠では例えば手数料が低水準といった、長期・積立・分散投資に向いた一定の株式投資信託、そして上場している株式投資信託であるETFが投資対象です。
 一方の成長投資枠では上場している株式の個別銘柄も運用できるのが、つみたて投資枠との違いです。成長投資枠ではそのほか、株式投資信託やETFも対象です。

 新しいNISAでは成長投資枠とつみたて投資枠を同時に使うことができるため、これまでのNISAよりも運用するときの自由度が高まったといえます。

ポイント③大きな非課税保有限度額が使える

 新しいNISAでは、生涯に非課税で投資できる額(「非課税保有限度額」。以下「限度額」)が1,800万円と、大きな枠が用意されています。なお、成長投資枠部分の限度額は1,200万円です。
 年間では、成長投資枠は年間240万円つみたて投資枠が年間120万円の限度額となっています。2つの枠は併用できますから、合計で年間360万円の限度額が利用できます。
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ポイント④再利用できる

 これまでのNISAでは、売却するともはや限度額は復活せず、再び限度額を使うことはできませんでした。しかし、新しいNISAでは、生涯での限度額である1,800万円(成長投資枠は1,200万円)に達したとしても、運用中の商品を売却すれば、翌年以降にその分を使って再び限度額まで投資することができます。より柔軟な運用ができるようになったといえるでしょう。
 なお、限度額が復活するのは、売却した運用商品を購入したときの価額分であり、売却した価額分が復活するのではありません。このようにNISAは「簿価残高方式」といって、購入価額(簿価)で管理されるため、購入後に値上がりしたとしても、値上がり分も含めて非課税となります。
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新しいNISAはどんな人におすすめ?

 新しいNISAをおすすめできる人はどんな人なのでしょうか?結論からいうと、運用中の価格の変動に耐えられ、長い期間での運用ができる人です。
 NISAは個別株式や株式投資信託、ETF等が運用対象ですから、これらの価格は常に動いていきます。そのため、いざ使おうとしたら価格が下がっていたといった場合には、使うはずだった目的に使えないことにもなりかねません。したがって、自分の資産が「近々使い途が決まっているお金」や「日々の生活費」、「もしものときのお金」しかないという人はNISAでの運用に向きません。

 一方で、長い期間使わないですむ余裕資金で運用できていれば、価格が下がっていたとしても価格の回復のチャンスを待つことができますから、非課税期間が無期限となった新しいNISAはうってつけです。ちなみに、よく質問を受けるのが、「長期で運用といっても、どれくらいを長期というのか?」です。一概には言えませんが、一般には少なくとも10年以上と考えればよいでしょう。

 新しいNISAでは、運用中の商品を売却すれば限度額の枠の再利用も可能となりますから、自分のライフプランに合わせて運用しやすいのではないでしょうか。例えば、これまで運用してきたNISA口座の資産を住宅取得のために売却したら、その後は老後資金づくりのために再び積立購入していくなどです。

 ただ、年間投資枠や限度額が広がったからといって、必ずしも年間投資枠や限度額いっぱいまで利用しなければならないわけではありません。初めは少額から始めるなど、無理のないペースで新しいNISAを活用することが大切です。
 自分の年齢やライフプランに合わせたペースで長く運用することのできる新しいNISAを、ぜひ資産形成に最大限活用していきましょう。

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